沖神小説第10話です
それではどうぞ!
沖田は屯所を出た。
空は澄みきっていたが、沖田の心は、何かモヤモヤしたものでいっぱいだった。
と、何かに気が付いたのか、足をぴたりと止めた。
———・・・待てよ・・・
オレはなんで、こんなにも山崎とチャイナが仲良いのが気にくわないんだ・・・?———
一生懸命に考えた。
考えて考えて考えて・・・やっと気付いた。
——・・・オレは、チャイナのことが・・・好き?——
とたんに、恥ずかしくなって
全身が燃えるようだった。
顔が熱い。汗が出る。
ごくり、とつばを飲む
これは、紛れもない事実ー・・・
もう『恋』としか、言いようがなかった。
自分の淡い思いに気付くと、思い人の顔が浮かんできて
それはもう止められないほど
どんどんどんどん・・・
思いが溢れていった。
相変わらず、顔が熱い。
頭がぼーっとする。
そこで、ハッとする。
(今、こんなとこでボーッとしてる場合じゃねえ!)
くるりときびすを返し、急いで屯所は向かう。
神楽に逢いたいと、思ったのだ。
でも、それよりも、山崎に先を越されないように、という理由の方が強かった。
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