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2024年05月19日  22時13分
3Z沖神小説10
CATEGORY : [長編3Z沖神小説~完結『白黒写真』]
沖神小説第十話です!
それではどうぞ!







 四時間目が終わり、昼食の時間がきた




オレは売店にパンを買いに行くため、教室を出たら、


   

   土方もきた

 


 「ちっ・・・・ついてきてんじゃねーよ 土方が」
 
                     
   土方を睨みつつ言った



「ああん?! 別にテメェについてくんじゃねーよ!」


 土方も睨みかえしてきた




  しばらく二人とも無言で歩く



  今でこそ、売店でパンを買っているが、


   昔は弁当だった




  姉上が毎朝オレのために弁当を作ってくれた



  でも、オレのためだけではなかった



 今隣にいる、土方のためでもあった




  姉上と土方は恋人同士だった

 

 
  毎朝オレは姉上に




 「いってらっしゃい 


   あ、ちゃんと十四郎さんにお弁当渡してね!」



  と言われて送り出されていた



    

   それが


     嫌だった 
 



だから、わざと弁当を忘れたりしたこともあった




 悔しかったから 


               羨ましかったから

 


 みっともない、ダサい、そう思ったけど、 



  それでも、たったひとりだけの『家族』だから


        


       淋しかった



 

 姉上が、土方と親しげに話しているとき


    
    

    淋しくて淋しくて淋しくて 




だけど、二人の幸せを1番願っていたのは自分だった



 「ミツバが、死んでからずっと、売店だな」



 渡り廊下まで来たところで、突然土方が言った



   「・・・・そうですねィ・・・・・」


      小さく答えた



 「あいつ、元気でやってるか・・・・?」
 

   土方がふと空を見上げて言った



 
「やってるでしょアンタなんかよりいい男ひっさげて」


  少し嫌みっぽく言った



 「いや、あいつは・・・ミツバは約束は守る女だ」


    真剣な顔で言った



  「・・・・約束?」



  「ああ、あいつはオレに言った・・・・・   



  『この身が朽ちようと、また新たに生まれ変わろうと、


    あなたのことは忘れません

 
     だって


    あなたは私の魂を揺さぶって、私に生きる希望を与えてくれたから・・・』」



  「姉上がそんなことを・・・・・」



 

 今もしっかりと脳裏に焼き付いている、愛するひとの姿、声、あたたかさ


     

   悲しくなって俯いた

 


 横を土方が通り過ぎた




  土方は先に行ってる、というと階段へ消えた



   久しぶりに、姉上に対してセンチメンタルになっている自分にだせーよ、と言い



  自分もパンを買って教室へと戻った   




 



    姉上、最近オレは自分でもよくわからない気持ちがします

   

    

      教えて下さい



  オレの目の前で、もう一度笑ってみせて下さい


 


 それが叶わない夢だとしても

 


  ずっと夢を見続けているから
 




   だからまた










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2007年05月10日  22時33分
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