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2024年05月20日  01時00分
沖神小説12
CATEGORY : [長編沖神小説『The thought that is not conveyed』]
沖神小説 第十二話です!
それではどうぞ!









日差しも強い昼下がり


今までのことを全部忘れようとやけ食いって訳じゃないが、かいた汗も尋常じゃなかったので、
甘味処で休憩することにした。



「あっちィ・・・。」


隊服のスカーフを緩め、席に着くと・・・。




「いらぁっしゃいませぇぇええ~。」


店内から、全く接客には向いてないやる気のない声がした。


「あ!!旦那ァ!!」


それは、モバイト中の坂田銀時だった。









カラン カラン・・・氷の涼しげな音が鳴る。


「屯所から追い出されたぁ?!」


モバイトを終えた銀時が、いちごパフェを頼みながら沖田の横に腰掛ける。


「そんなんでさァ。昨日きたチャイナも、我が物顔で屯所ほっつき回ってるし、山崎もチャイナを我が物顔で・・・」



・・・・!!!!!ああああああああっ 何言ってんだオレ・・・。


「え?最後の方よく聞こえなかった。ジミーがなに?!」


「いやいや何でもないでさァ・・・。」


近くにあった自分の水をがぶ飲みする。

(あぶねェ。バレてないバレてない・・・。)



「神楽は元気そうだな~。食費が浮くわ~ずっとそっち置いてていい?!楽しくやってるみたいだし。」

沖田はしばらく黙っていた。そして慎重に言葉を選び、


「・・・チャイナはいつも山崎と楽しそうに喋ってますぜィ。・・・すごく楽しそうに。たぶんチャイナもあいつのそばにいたいって・・・思ってると思いやす。」

とゆっくり答えた。


笑っている神楽の顔を思い出しながら。


吹っ切れたと思っていた神楽への思いが、また繋がっていくのを感じながら。



静かに考えていると銀時がいきなりニヤニヤしながら言った。



「いや、若いってのはいいねえ~。青春だね青春。オマエなんだかんだ言いながら、少しはアイツのこと気になってるだろ。」


・・・・・図星。


慌てふためく沖田をよそに銀時は言葉を続けた。


「アイツも、家にいるときは、オマエのことばっか喋ってんぞ。多分、ジミーと話すときよりも、もっともっと楽しそ
うに、オマエのこと話してる。口には出さないが、アイツもオマエのこと・・・。」


沖田は全身の体温が上昇していくのが分かった。


そして、銀時にの言葉を最後まで聞く前に、いちごパフェの代金を置いて、猛スピードで甘味処から出て行った。






「旦那ァ。感謝しますぜィ。」



 —もう自分の気持ちを抑えたりしない。




沖田は走りながらそう思った。




外はもうずいぶん暗くなっていた。






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2007年09月13日  17時01分
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